人間になくてはならないもの。

 

人間は、誰かに愛されなくてはならない。

愛されたことのない人間は、人の愛し方もわからない。

それなのに、なぜ 彼は人をこんなに守りたがって、愛したがって、こんなにも逞しいのか。

 

文豪ストレイドッグス DeadApple」

今までで一番残酷な内容で、一番彼らが素敵だと思える映画だった。

 

私の大好きな 主人公の中島敦くんは、幼い頃から 親、孤児院の人間に残酷すぎる虐待を受けている。虐待を受け続けた人間というのは普通、人への上手な接し方をしらず、また人を虐待してしまうのだと思っていた。世間一般でもそういう考えだろう。

彼がどんなに辛い思いをしたのか、全ては知らなかったし 辛くなるだけなので知りたくなかった。だが、今回の映画で また当時の回想シーンが流れ、私は息を飲んだ。またか、こんな辛いシーンなんて見たくない。そう思っても目は逸らせなかった。

ある暴虐シーンが映し出された時、それが初めは誰だか分からなかった。だがそれが分かった時、寒気がして震え、座っていることもままならなくなった。

たかがアニメ、そう思ってはいられなかった。

この世の中には、目を背けてしまいたくなる虐待をされている人間がいる。

その 「背けたくなるような虐待」を 大好きな人が受けている事が耐えられなくて 疑問と怒り、悲しみがこみ上げた。

なぜ、なぜこんな事をされたのに 人を守ろうとするの?愛せるの?という疑問が浮かび 私の身体を刺激した。

 

つい昨日、家族から残酷な暴虐を受けている少女の本を読んだばかりなのだ。

その本のシーンと 彼のシーンが脳内で合わさってしまい とてつもなく辛かった。

 

人間の強さを改めて知った。

人は 過去にどんなことがあろうと、守りたいものが出来れば 過去なんてどうでもいいのだ、と。

まだ私には、何故という疑問が浮かぶ。

人に愛されなかったのになぜ、と。

 

けど いつかそれを理解した時。

またこの映画を見たい。

もっと彼が愛おしく思えるかもしれない。